第29回オンライン研究会

去る2月26日(日)15:00から、第29回オンライン研究会を開催しました。内容は高橋修氏「岡田美術館所蔵 三月十二日合戦・三井寺合戦図屏風 原本調査振り返り」です。
いつのオンライン研究会だったか忘れてしまいましたが、岡田美術館の「The SAMURAI~サムライと美の世界~」展のHP掲載の合戦図屏風が話題になり、高橋氏が「これは『国華』誌上に紹介された太平記を題材とする屏風だ」と喝破し、是非調査したいという意見が続出し、その後調査を許可されたものです。
高橋氏は「20年以上前から見たかった屏風」とのことで、スライド70ページ以上におよぶ大報告でした。南北朝期を取り上げた合戦図屏風は少ないですが、本科研でも調査した「湊川合戦図屏風」(個人蔵、和歌山県立博物館寄託)との共通性が指摘されました。右隻は元弘3年(1333)に赤松勢が六波羅目指して京都に侵攻し、最終的には撃退された合戦、左隻は建武3年(1336)に新田義貞と北畠顕家が細川三井寺に陣する定禅を攻め、三井寺を焼き打ちにした合戦を描いたものです。いずれ活字化される内容ですので、ここで詳細な報告内容の紹介は控えますが、個々の図像分析、屏風の全体像、制作目的、他作品との比較など、さすがと感嘆しつつ多くのことを学んだ内容でした。(文責:堀 新)

以下の画像は①②は当日の様子、③④は『歴史読本』44-6より。

①.jpg②.jpg③.jpg④.jpg

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